建速須佐之男命を主祭神として
  全十柱の神さまをお祀りしています

当神社の主祭神は建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)であり、古来より厄除けの神として信仰を集めてきた力の強い神様です。
特に東海地方では、津島神社(愛知県津島市在)を中心として、建速須佐之男命あるいは牛頭天王(ごずてんのう:建速須佐之男命の別名)を信仰する津島信仰が盛んであり、当神社もこの津島信仰の流れを汲む神社であったと考えられています。
主祭神の建速須佐之男命、そして日本の主宰神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)、さらに 天照大御神と建速須佐之男命の御子神である八柱の神々を加えた全十柱が、当神社の御祭神です。
 

       

当神社の御祭神

 

主祭神 建速須佐之男命
たけはやすさのおのみこと

日本の国をお作りになられた伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)の間にお生まれになられた男神で、天照大御神(あまてらすおおみかみ)と豊受大御神(とようけのおおみかみ)の弟神です。 こちらの神様は、八岐大蛇(やまたのおろち)退治の神話で伝えられていますが、厄除けに大変強いお力をお持ちの神様です。
また、蘇民将来(そみんしょうらい)の民話にもあるように、疫病を防いで家々に幸せをもたらしてくださる神様でもあります。

 -御神格:農業、防災徐疫の神

 -御神徳:五穀豊穣 疫病除け 厄除け 病気平癒
      子孫繁栄 商売繁盛

 


天忍穂耳命

あめのおしほみみのみこと

建速須佐之男命が高天原(たかまがはら)に天照大御神(あまてらすおおみかみ)を訪ねた折りに、御両神の間で行った占い(誓約 うけい)からお生まれになられた五男神の一柱であり、天照大御神の第一子にあたられます。


 -御神格:農業、稲穂の神

 -御神徳:諸産業隆昌 勝運招福 家門繁栄
             商売繁盛 入学祈願 縁結び

 


天穂日命
あめのほひのみこと

誓約でお生まれになられた五男神の一柱であり、天照大御神の第二子にあたられます。    -御神格:農業、稲穂の神 交渉の神 産業の神
 -御神徳:産業振興 国土開発守護 商売繁盛
      金運招福 学問上達 受験合格

 


天津彦根命
あまつひこねのみこと

誓約でお生まれになられた五男神の一柱であり、天照大御神の第三子にあたられます。

 -御神格:風の神 雨乞いの神  -御神徳:農業・漁業・金属工業守護 祈雨
      台風除け 水難・火難除け 開運招福

 


活津彦根命
いくつひこねのみこと

誓約でお生まれになられた五男神の一柱であり、天照大御神の第四子にあたられます。

 -御神格:太陽の神 繁栄の神
 -御神徳:五穀豊穣

 


熊野樟機日命
くまのくすびのみこと

誓約でお生まれになられた五男神の一柱であり、天照大御神の第五子にあたられます。
 -御神格:農業の神

 -御神徳:五穀豊穣

 


田心姫命
たごりひめのみこと

誓約でお生まれになられた三女神の一柱であり、建速須佐之男命の第一子にあたられます。宗像三女神の一柱でもあります。

 -御神格:海の守護神 交通運輸の神
 -御神徳:交通安全 海上安全

 


湍津姫命
たぎつひめのみこと

誓約でお生まれになられた三女神の一柱であり、建速須佐之男命の第二子にあたられます。宗像三女神の一柱でもあります。

 -御神格:海の守護神 交通運輸の神
 -御神徳:交通安全 海上安全

 


市杵島姫命
いちきしまひめのみこと

誓約でお生まれになられた三女神の一柱であり、建速須佐之男命の第三子にあたられます。宗像三女神の一柱でもあります。 市杵島姫命は絶世の美女とされ、仏教における弁財天と同じ神様として信仰を集めています。

 -御神格:海の守護神 漁業の神 商業守護の神
      音楽の神  -御神徳:商売繁盛 芸事上達 金運向上 豊漁

 


天照皇大神
あまてらすおおみかみ

日本におられる八百万(やおよろず)の神々の最上位におられる女神様で、天界である高天原(たかまがはら)を統べる主宰神であり、太陽の化身とされています。

 
       

建速須佐之男命と蘇民将来の民話

建速須佐之男命には、次のような民話が伊勢地方に伝わっています。   ある日、長い旅をしていたお一人の神様が、一夜の宿を探していました。 神様が裕福な巨旦将来(こたんしょうらい)に、一晩泊めてもらおうと頼んだところすげなく断られてしまいましたが、貧しい蘇民将来(そみんしょうらい)に頼むと、彼は快く泊めてくれ、貧しいながらも心のこもったおもてなしをしてくれました。
翌朝、泊めてくれたお礼に神様は*茅(かや)で作った輪を蘇民将来へ贈り「家族みんなが これを腰につけておきなさい」と言われました。
そこで、家族全員が神様に言われた通りに同じ輪を作って腰につけていたところ、蘇民将来の家族以外は疫病でみな死んでしまいましたが、蘇民将来の家族は無事でした。

のちに神様は、自分が建速須佐之男命であることを明かし、「これから疫病が流行る時には、蘇民将来の子孫である証拠としてこの茅の輪を身につけていれば、疫病から助かるだろう」と教え、こののち蘇民将来の一族は幸せに暮らしたということです。

今でも夏越の祓い(なごしのはらい)に茅の輪(ちのわ)くぐりを行うのは、この言い伝えに基づいたものなのです。
  また、伊勢地方の家々が『蘇民将来子孫家門』と書かれた注連縄(しめなわ)を一年中飾っているのも、この言い伝えに基づき 家に不幸や疫病が入ってこないようにしているのです。

*茅(かや);ススキやチガヤなどの植物のことです。